イルミネーションを見に車で移動した。

とても混んでいて、駐車場から会場に行くのも少し歩かねばならない。

車から降りて、彼の歩くスピードになかなか追いつけず

「は、早いね。。」と空を見上げて笑いかけた。

彼は少し照れたように

「早かった？」

と、歩くスピードを落としてくれた。

イルミネーション会場は、本当に素敵。どこを見てもキラキラ輝いていた。

子どもが光る飴を持っていた。

「どういう、仕組みなんだろう？気になる〜」

と彼。

「買ってみれば？」と私。

たわいない話で盛り上がる。

屋台もたくさんでていて

美味しそうな食べるスープが並んでいたので、彼と、私と別々なものを注文して買った。

そして、座ってまた話した。

途中彼が

「食べる？」

とスープカップを差し出した。

（えっ。。）と内心ドキドキのわたし。

まるで本当のカップル見たいじゃん。

と思いつつ、ありがたくもらう。

「美味しいね」

2人でそう言い合った。

夜10時ごろには家に帰る約束をしていたので、その土地を最終19時ごろには出なくてはならない。

彼も時間を気にしてくれて、最寄の駅まで送ってくれることになった。

なんとなく2人とも名残惜しい感じになっていた。

無人の真っ暗な駅。

電車が来るまで、車の中でまた話す。

柄にもなく気持ちは昔の少女のように、ドキドキ。手も無意識に頬に当てていた。

「なんか、むちゃくちゃ、ひまわりさんて乙女なんやーん」

と冗談ぽく言われる。

子どもがいることも知ってる。

ある程度歳がいってることも知ってる。

でも、そんな風に扱われたことが新鮮でまた嬉しかった。

少し甘いムードになりかけたけど、

イヤイヤ、友達。

彼は10近くも年下。

割り切るのだよ、と心の声。

うん、また会えるよ、きっと、

と思いながら

「もう時間だね。今日はありがとう」

といって車を降りた。

彼は私が電車で行ってしまうまで車から降りて見送ってくれた。

やばい。。惚れそうだ。。。

彼との再会のきっかけは、私の仕事が彼と同業だったため、仕事の道具を借りに行くことが目的だった。

急遽決まったことだったけど、たまたま予定がお互い空いていて、すんなりと会えることになった。

ちょうど、彼の自宅の近くでイルミネーションをしていることもあり、ついでにイルミネーションも見に行くことになった。

さて、当日。

子どもを祖父母宅にお願いして昼前ぐらいに自宅を出た。

彼と会うのはその時で3年ぶりぐらいだった。

駅まで迎えにきてくれた。

電話では話しているのに久しぶり過ぎて緊張した。

何を話したかはよく覚えてないけど、

お互いちょっと気恥ずかしくて、よく見てなかったと思う。

最初に彼は自宅に案内してくれて、仕事道具を出してくれ、お茶を出してくれた。

2DKで、男の部屋にしてはすごく整理整頓された部屋、という感じだった。

そこで少し話したあと、彼のオススメのカフェに移動し、ケーキを食べ、元旦那の話を少し聞いてもらった。

その時マジマジと彼の顔を見たけど。。

おせいじにも、カッコいいとはいえない、どちらかというと暑苦しい顔立ち。しかも男のくせに眉を整えてる。

そして、胸元にはペンダント。

ありえん、ぜーったいにありえん。。

それが久しぶりに再会した彼への私の感想だった。

このあと、イルミネーションを、見に行くんだよぉ〜。

さて、どうしましょ。

離婚後に最初に付き合ったのは、古い付き合いの友達。

離婚経験者。だから、いろいろ相談に乗ってもらっていた。

古い付き合いの友達といっても、実際にあったのは、二度ほど。

数年前SNSが流行り始めて、「よかったら登録してよ」「いいよー」みたいなノリ。

元々仕事関係で知り合ったので、仲良くなる速度は早かった。

離婚後に連絡して、頼られるのが好きな彼はとても親身になってくれた。

毎日電話し合うのが日課になった。

電話するのは決まって、子どもが寝静まった夜中。

時には朝まで語り合うこともあった。

（なんだか恋人同士みたい）

そんな風にお互い思っていたと思う。

2ヶ月くらい毎日の電話が続いた後、飲みに行くことになった。

彼が住んでいるのは、私が住んでいる場所から2時間かかった。